表情筋研究所

YA-MAN ヤーマン

columnコラム

vol.6 小泉 佳右先生

体の筋トレに使われるEMS。表情筋も鍛えられる?

表情筋を鍛える方法はさまざまありますが、電気刺激によって運動と同じように筋肉を繰り返し収縮させるEMS(電気刺激を与えて筋肉を動かす機器)も有効な手段のひとつです。

私が携わった実験では表情筋を10分間EMS機器で刺激したところ、筋肉の疲労を示す筋電波形の中間周波数の変化が認められました。つまり、表情筋に疲労が生じ、筋肉が太くなる筋肥大につながっていくと考えられるということです。また、EMS機器による刺激は、筋肉を繰り返し収縮させますので、筋肉内に血液を溜められる量(血液貯留量)が増えます。

こうした筋肉を太くし、血流を良くする刺激を与え続けることで、美容面ではハリが高まり、ほうれい線なども目立ちにくくなっていくと思われます。

血液貯留量が良くなることには、もうひとつ効果があります。昔から顔色で健康状態を判断したりしますが、これはまさに顔の毛細血管に流れる血液の色を見ているもの。EMS刺激によって、血色感が良くなり、顔色が明るくなるともいえそうです。

通常の筋肉を肥大化させていくには、疲れを感じるトレーニングを継続して繰り返していく必要があります。表情筋のトレーニングにEMS機器を利用する場合も同様に、短い時間でも毎日続けていくことで効果的に鍛えられると考えて良いでしょう。

―PROFILE

小泉 佳右Keisuke Koizumi

千葉大学大学院国際学術研究院 准教授。スポーツ科学、運動生理学、健康科学を専門分野とし、主に「ヒト生活リズムの確立と身体活動との関係」「Active recoveryの生理学的背景」を研究。

主な論文

「1日60分以上の身体活動をする幼児の時間ごとの活動特性と体温概日リズム. 千葉大学国際教養学研究 4: 147-155, 2020.」「幼児期における生活リズムを確立するための、身体活動の有効性―唾液マーカーによる概日リズム評価を用いて―. 第32 回若手研究者のための健康科学研究助成成果報告書 70-74, 2017.」「Active recovery effects on local oxygenation level during intensive cycling bouts. Journal of Sports Sciences 29: 919-926, 2011.」

2021/3/22 更新

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