表情筋研究所

YA-MAN ヤーマン

columnコラム

vol.8 内田 佳代先生

よく噛み、よくしゃべり、たくさん歌うことが実は効果的な表情筋トレーニングになります。

おしゃべりするように口を動かしながら、顔に触れてみてください。頬やあご全体が動いているのが感じられるのではないでしょうか。私たち日本人は、日常生活の中で約20%の表情筋しか使っていないと言われますが、実は歌う、話す、しっかり噛むといった口もとの動作で、表情筋を含めた顔の筋肉の約8割が動くことが分かっています。

歌ったりしゃべったりして顔の筋肉を動かすことは、顔のたるみの予防にもつながります。最も効果的なのが、しっかり噛むこと。食事のときに使う咀嚼(そしゃく)筋のひとつである側頭筋は、こめかみまわりにあるため、口もとだけでなく目もとの筋肉まで動かします。また、しっかり口もとを動かして噛むことで、舌の筋肉や表情筋なども含め、より多くの顔の筋肉を動かすことができるのです。

私の行っている表情筋エクササイズでも、最初に取り組んでいただくのが食事の改善。最近は、噛むことがおろそかになっている人がとても多いので、食事を見直してしっかり噛む習慣をつけるだけで、顔の印象は確実に変わります。

ただ、誤解しないでほしいのですが、しっかり噛むというのは、固いものを食べるという意味ではありません。固いものは、顎関節症を引き起こす可能性があるため、お勧めしません。噛みごたえがあるもの、すなわち何回か噛まないと飲み込めないものをメニューに選んでみましょう。例えば、サラダを選ぶ場合は、ポテトサラダではなくゴボウサラダを選ぶなど。また、調理する場合は、食材は柔らかく小さくしすぎないこともポイントです。食事のときに噛むことばかり意識するより、噛みごたえがあるものを食事に取り入れることで、自然と噛む回数を増やすことができます。

もし今、自分の表情に自信がないとか、いつも怒っているように見られるといった気がかりがあるなら、まずは上記のようによく噛み、よくしゃべり、歌うといった口もとをしっかり動かすことを意識することから始めてみてください。それが美しい表情やなりたい表情に近づくスタート地点になります。

―PROFILE

内田 佳代Kayo Uchida

歯科衛生士・表情筋トレーナー
「噛むこと」を意識させる、歯科衛生士ならではの表情筋エクササイズ、口もとからの美を提案し、全国各地で講演・セミナー開催。ミスユニバース地方大会セミナー担当。NHK「きれいの魔法」など美容番組・雑誌等へ多数出演。表情筋エクササイズDVD「笑顔づくり編」「スッキリ小顔編」も好評。

2021/5/27 更新

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