表情筋研究所

YA-MAN ヤーマン

research研究

2024.01.31

「表情筋」って本当に動いてるの?顔を鍛えることの意味って?

巷でよく聞くようになった「表情筋トレーニング」。身体の筋肉を鍛えればラインが綺麗に見えるのと同じように、顔だって皮膚の下には筋肉があります。顔の筋肉を鍛えれば、身体と同じように変化が得られるはず。でも、「今、目の筋肉を鍛えている!」と日ごろから大きく筋肉動かしていることを実感はしないですよね。顔の筋肉って本当に動いているの?顔もトレーニングをしたら本当に鍛えられるの?鍛えたらどうなるの?尽きない疑問を胸に、今日も『表情筋研究所』の研究所員へ、直撃インタビューしてきました!

顔の筋肉って、鍛えなきゃいけない?

身体の筋肉は、歳を重ねるにつれ衰え、運動能力が鈍くなったり、思うように動かなくなったり、健康面にも影響してきますよね。では顔はどうでしょう?

なぜ顔の筋肉を鍛えなければいけないのでしょうか。

「顔には、30種類以上の筋肉があり、顔の動きや表情を司る筋肉群を総称して“表情筋”と言います。たとえば食いしばりなどで気になる“咬筋(こうきん)”などは、医学的には食べ物を噛むための咀嚼筋(そしゃくきん)に分類されるのですが、ヤーマンでは、表情や顔の印象に影響を与える顔の筋肉全体を総称して“表情筋”と呼んでいます。表情筋は、若々しい顔の動きや表情、見た目を土台から支えるものですので、表情筋を鍛えなければ、衰えが顕著に表れてきます。」

鍛えなければ、顔も“運動不足”状態に?

「最近“表情筋”が注目されるきっかけとして、長いマスク生活がありました。マスクの下で緊張がゆるんでいたり、人と話す機会が減り、口を動かす時間が減るなど、表情を動かすことを怠っていた顔の筋肉は、まさに“運動不足”の状態です。その結果、マスクを外していざ笑おうとしても思ったように笑えなかったり、不機嫌に見られたり、疲れた印象を受けられてしまう、なんて方も多いのではないでしょうか。」

たしかに、そして玉手箱を開けてしまったかと一瞬錯覚するくらい、ここ数年で一気に老け顔になってしまった気がします。

顔の筋肉が運動出来ているかは、どうやって判断するのでしょうか。

「筋肉が力を発揮しているときには“筋活動電位”とよばれる電気的な変化が発生しています。これがどの程度どのように発生したか、時間と変化の関係を示した “周波数”で表し解析すると、筋肉が疲労しているかどうかが分かります。こちらのグラフのように、筋肉に作用するエネルギーを与えてみると、周波数が低周波帯に移行する=筋肉が疲労している=トレーニング出来ている、と言えます。」「さらに、超音波エコーを使い、数値だけではなく実際の動きも観察することができます。本当に筋肉が動いているのか、どの筋肉が動いているのか、などの検証のために、きちんと動きを目で見て確かめます。」

凄い!顔の筋肉って、こんなにダイナミックに動くんですね!
お腹の中の赤ちゃんをエコーで観察するように、自分の筋肉をエコーで観察する。なんだか愛着が湧いてきますね

顔の筋肉を鍛えるとどうなるの?

こんなにたくさんある表情筋ですが、鍛えるとどうなるのでしょうか。

「たとえば、顔の中でも広い範囲を占める頬の筋肉“大小頬骨筋”(だいしょうきょうこつきん)が衰えると、筋肉より上の脂肪が支えられなくなります。ここを鍛えることで、顔のラインがスッキリ綺麗に見えるようになります。」

「目の周りの“眼輪筋”(がんりんきん)は、鍛えることで目の下のたるみがスッキリして見えます。眼輪筋が薄くなると目もとの脂肪が支えられなくなり、目の下のふくらみが目立つようになりますので、若いうちは気にならないことが多いですが、筋力が低下しないよう注意する必要があります。」

目の下のたるみも自由自在に操る眼輪筋って偉大ですね!

「逆にみなさん一生懸命目をあけようとして、おでこの上あたりにある前頭筋を使ってしまうのですが、ここを動かして鍛えてしまうと、おでこのシワにつながってしまいます。そういう意味で眼輪筋はとても重要です。目の下のたるみだけではなく、目を開ける力が変わることで二重幅など、目の印象全体に変化をもたらすことがあります。」

二重幅も、目の下のたるみも、メスや針が必要なイメージがすっかり定着してしまいましたが、自分で出来ることはまだまだあるよう。まずは自分の筋肉を自分で愛でるところから、さっそく初めてみたいと思います。

表情筋トレーニングの、落とし穴

では、顔の筋肉は鍛えたほうが良いということなので、どんどん鍛えていきましょう!

「ちょっと待って!“鍛える”が、逆効果な筋肉もあります!」

どうやらむやみやたらに鍛えてはいけない、繊細な面があるよう。

鍛えても逆効果!?な筋肉を教えてください!

「顔の筋肉は、部位によって適切な鍛え方と効果が違ってきます。噛みしめるときに使用する筋肉“咬筋”は、酷使すると筋肉が張ってしまい、顔が大きく横に広がって見える原因に。咬筋はマッサージするように刺激し、鍛えるではなく、ほぐす、ゆるめるような動きを意識しましょう。」

「また、意外と知られていないのが、“口角下制筋”(こうかくかせいきん)。口のまわりにある“口輪筋”(こうりんきん)はきゅっと引き締まった口もとを作るためにも鍛えたほうがよいと言われますが、そのすぐ下に位置する口角下制筋を一歩間違えて鍛えてしまうと、食いしばると口角が下がるように、力が入りすぎたり、鍛えすぎたりすると、不機嫌な印象に見られることも。」

「“咬筋”も“口角下制筋”も、日ごろから食いしばる癖がある方はリラックスして、筋肉を緩めるような電気エネルギーを与えることや、マッサージでほぐしてあげることも大切です。」

顔の動きや表情を司る筋肉群である、「表情筋」。ここ『表情筋研究所』という名前にも入っているくらい、やはり奥が深く、1回研究所に潜入しただけでは語りきれないほどの数の筋肉と、それに対応するケアの方法が存在しました。皮膚の下に位置するので目視は出来ないものの、顔の筋肉を意識することで、「大頬骨筋が鍛えられた笑顔が素敵!」などと専門家のような気持ちで解説したくなりますね。

では、また次回をお楽しみに!

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